働きたい女性が社会に出て、心置きなく働ける。その意味では歓迎すべきことです。しかし、それは少子化対策につながるのでしょうか?
もちろん、子供の預け先ができることで、働ける女性もいるわけです。経済的な余裕があれば、子供をもう一人産もうかと考える人が増えてもいいのですが…。
■家事の価値は?
そう考えたのは日経ビジネスオンラインの記事「リストラ・ひも・ウツ 育児に協力するオトコの世間体」という記事を読んだ時です。
イクメンという言葉が一般的になった現在でも、男が仕事をやめて育児に専念すると「リストラにあった?」とか「ヒモ?」などと言われてしまう現状。
「無能な人は家庭に入れ」という人もいるそうです。
家事はお金にならないので、評価されない。金銭を重視しすぎて、育児を含めた家事をする人が、軽んじられているのではないか、という内容でした。
経済的価値を高く見て、家事を低く見る価値観。
この価値観の極まるところは「最初から子供を持たない方が得だよね」という考えではないでしょうか?
■子育ては楽しいんだ、価値があるんだ、ともっと語ろう
評価されない仕事に就きたがる人はいません。
保育園で子供を預けて働く人が増え、それが当然になった時。
子育てする人が「働いてないの? なにやってるの」とか、「専業主婦で子育て? 楽だねえ」などと、言われるようになってしまったら、一所懸命子育てをする人は減ってしまうでしょう。
子供を育てることを含めた家事の意味をきちんと評価しない社会は、結局は子育てする人を失ってしまうのではないでしょうか?
働く人のために、保育園は大事。その一方で、自分で子育てをしたい人が、存分に子育てできる価値観も作っていかなくてはなりません(もちろん、経済も大事。フランスの出生率を上げたのは、結局のところ育児補助金ですから)。
本当のところ、子育てをきちんとやろうと思えば、たくさんの勉強が必要です。迷ったり考えたりもするし、試したり失敗したりします。子供に関わる自分自身のケアも必要で、決して簡単ではありません。そういったことの価値を認めることも、少子化対策には必要なはず。
ワークシェアリングなどで、男女ともきちんと育児に関われる、それでいて、育児が出世の妨げにならないような社会になればいいのですが。
自宅自営業で、子育てに関わってきた父親としては、子育ての楽しさと、やりがいをもっと語ってみたいのです。
イラストは、子供と動物のイラスト屋さん から
0 件のコメント:
コメントを投稿