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2015年4月19日日曜日

モンテッソーリ教育は、放任主義ではない

 モンテッソーリ教育は、子供の自主性を尊重します。それは、敏感期という自然からの贈り物を活かすため。子供の内側から湧き上がる意欲が、何よりも子供を育てると考えるからです。

 と言って、モンテッソーリ教育は子供を放っておくだけの「放任主義」とは違います。

■放任主義で、子供は学ぶのか?

 「教えなくても、必要なことは子供自身の経験から学べる」というのが、放任主義の考え方。確かに経験は、学びにとって重要です。
 ただ「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」という言葉があるように、経験からだけ学ぶのは、至難の業です。

 たとえ話として適切かどうか、わかりませんが…。
 歴史を見ると、旧石器(打製)時代は数万年続きました。磨製石器の技術が広がるのに、数万年も必要だったのです。当時の人類集団に交流が少なく、自分や周囲の人の経験からだけ学んでいたからだと考えられます。

 その後、交流が盛んになり、他人の経験から学べるようになると、文明は一気に進歩を始めます。文書という記録の方法ができるとさらに加速し、インターネットができた現在では、ついていくのが難しいほどの発展を続けています。

 というのは、寄り道なので本題に戻って…。

■モンテッソーリ教育の方法論

 子供を育てるのは環境、というのがモンテッソーリ教育の主張です。
 子供に教えるのではなく、子供の発達を見ながら、必要な環境を整えることで、子供の学びに方向性をつけてやるのです。

 また、モンテッソーリ教育の教具にも仕掛けがあります。
 有名な「差し込み円柱」や「ピンクタワー」は、段階的に大きさが変わるようにできています。もし、順番を間違えると、円柱が穴に入らなかったり、タワーの形が歪になったりして、間違っていることがわかるようになっています。
 つまり、子ども自身が間違いに気づき修正できる環境があるから、子供自身で学ぶことができるのです。

■親の背中を見て育つ

 モンテッソーリ教育の「環境」の思想は、一昔前の「子供は親の背中を見て育つ」とか、「孟母三遷」の言葉を思い出させます。

 確かに、環境の影響力は無視できないもので、現在の調査でも
「本を読む親の子供は、本を読む」
「殴られて育った子供は、暴力事件を起こす確率が高い」
 など、環境が子供に及ぼす影響が確認されています。

 我が家?
 実は、両親とも片付けが苦手です。今のところ、子供も片付けは苦手。
 環境の力って、すごいですね~(笑)

2015年4月2日木曜日

過ぎてしまえば、全部楽しい

 つい先日、生まれたばかりだと思っていた子供が、もうすぐ9歳になります。本当に子供の育つのは早いものです。

■なかなか生まれなかったこと

 もともと、非常に遅くなってからの子供でした。それまでに、理由らしい理由もないまま4回の流産を繰り返していたからです。

 5回めの妊娠も、喜ぶより先に
「今喜んでもまた流産して、ぬか喜びになるかも」
 と、警戒したくらい。
 一安心したのは、五ヶ月を過ぎてからです。エコーで動いている映像を見て、ようやく喜ぶ気持ちになりました。

 神経を使いながらの数ヶ月を過ごして、臨月。
 生まれるときも、一筋縄ではいきませんでした。まず、二週間遅れの過期産。ようやくやってきた陣痛は微弱陣痛で、いっこうに進まず。生まれたのはなんと入院から72時間後でした!

 私は出産に立会いたかったので陣痛室に詰めていましたが、丸3日、そこから仕事に通うはめに。出産の喜びの後、二人ともぐったりしていたのを覚えています。

■夜泣きが長かったこと

 で、生まれた娘がよく泣く子でした。よく、新生児は二時間おきに泣くと言いますが、その二時間おきがずっと続きます。二ヶ月どころか、半年たっても、一年経っても、二時間ごとに起きて泣く娘。

 抱き上げて、妻なら授乳。私なら歌を歌っていると、静かになって眠ります。しかし、そこから寝かせるのが一苦労。ゆっくり降ろさないと、布団に触れた感触で目を覚まして泣くからです。
 いや、降ろすところまではまだマシですね。本当に難しいのは娘の身体の下から腕を抜くこと。何度も失敗を繰り返したあと、微速度での腕抜きをマスターしました。

 結局、5時間続けて眠れるようになったのは、4歳になってから。長い長い、睡眠不足の日々でした。
 
■それでも、楽しかったとしか言えない不思議

 それ以外には、五ヶ月近くなっても首が座らなくて「運動発達注意」と言われ、心配したことも。後に「頭が大きくて重かっただけのようです」という結論に達しましたが…。

 もちろん、子供につきものの発熱もあり、引きつけを起こして救急車に二回乗りました。

 いろいろ疲れることもあったわけですが、ここまで育てたことを思い出すと「楽しかった」としか言えないのが不思議です。

 妻と「眠れなかったよなあ」とか「引きつけを起こした時は、死ぬかと思ってオロオロした」とか言い合って、笑います。娘はそれを横で聞きながら、面白がっています。とくに、引きつけで狼狽した話がお気に入りで、何度も聞きたがったり。

 子育ては、面倒もたくさんあるわけですが、いつまでも続きはしません。気が付くと、そんな時期を通り越して、大きくなってしまいます。そして、過ぎてしまえば、楽しかった思い出が残るのが子育て。

 今、乳児期の子育てで大変な方もいらっしゃるでしょう。辛い時は「この辛さも、必ず良い思い出になる」と唱えて乗り切って下さい。辛いことだけ、いつまでも続きはしません。

 それと、男性に一言。子育てには、絶対参加したほうがいいです。面白いし、何よりも一生、奥さんとの話題に困りませんよ。