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2016年9月30日金曜日

学力向上の裏ワザ、速読を1日3分で習得する

 個人的に、読書は人生の基本だと信じています。
 だから、子供にも本をたくさん読んでほしい。読むのが速ければ、たくさんの本が読めるはず。

■速読は受験にも有利!

 日本速読協会によると、日本人の平均的な読書速度は、1分間に400文字だそうです。文庫本が1ページ600~700文字程度ですから、1分半で1ページを読み終わるくらい。

 ただし、学力と読書速度には相関関係があり、東大京大の学生では、1分間で1000文字を超えるとか。
 読む速度が2倍なら、教科書や参考書が半分の時間で読めるのですから、ありそうな話です。

 人生がひろがるだけでなく、受験にも有利な速読。子供に覚えさせたいですね。

 速読は、そんなに特別な技術ではありません。
 インターチェンジ効果という、脳の特性を利用すれば、誰でも身につけることができます。


■脳を高速化する「インターチェンジ効果」

 車を運転する人なら、高速道路を走った後、一般道での走行が遅く感じたことはないでしょうか?
 この速度感覚のズレは、インターチェンジ効果と呼ばれています。

 高速道路を走っている間、脳は目から入ってくる情報を処理するため、普通より速く働いています。そこで一般道に下りると、情報の量が激減。余裕ができた脳は、一般道の速度を遅いと感じます。 

 私達が本を読む時も同じ。
 速い文字の流れに目を慣らせば、普段の読み方が遅いと感じるようになり、読書速度が上がってきます。

1日3分、2週間で速読

①準備するもの
 ソフトカバーの本と、タイマーだけ。

②速度計測
 まずは、自分の読書速度を計ります。
 適当に本を開き、1分間で何行読めるか、タイマーを使って計測します。計測結果は覚えておいて下さい。

③訓練は3分間
 右手で本の背表紙を持ち、左手でページを押さえます。そのまま本をしならせて、パラパラっとページをめくります。
 速度は、文字がかろうじて見える程度。

 子供に教える時は、大人がページをめくってやります。子供にはページを眺めさせ、文字が見えるかどうかを尋ねます。
「見えるかー?」
「ちょっと見えるー」
 などと会話しながら、なんとか文字が見えるくらいの速度にします。

 現れては消えてゆく文字を眺めて3分間。

④再度計測
 タイマーを使って、1分間の読書速度を計ります。
 大抵の人は読み出した時点で、「見え方が変わった!」と驚きます。視野が広くなり、一度に見える文字の量が増えているのです。2倍程度になっている人が多いですね。


■あとは練習を続けるだけ

 この練習、一回だけでは、5分もしないうちに元の速度に戻ってしまいます。
 しかし、これを2週間も続ければ、脳は「速いのが当たり前」と感じるようになり、速読が定着します。

 2、3倍程度まではすぐに身につきますが、続ければもっと速くなることも。
 小学4年生の娘は、一ヶ月程度の練習で、特に意識することなく、1分に1500字(児童書で3ページ)くらい読んでいます。  子供にとって、速読の一番のメリットは、本に対して積極的になれること。かんたんなので、一度試してみませんか?

2016年1月18日月曜日

褒めて伸ばすには、コツがある②

 前回書いた、褒めて育てる話。
 子供に何か望ましい行動をさせたければ、望ましい行動と「楽しい・嬉しい」という感情を結びつける必要があるという話でした。
 例えば、子供が手伝いをすると、親が笑顔でほめてくれる、という場合。子供にとって、お手伝いをすること自体に良いイメージが生まれ、またお手伝いをしようという意欲に繋がる「強化」が起こるわけですね。

 さて、これを実際に使うにあたっては、幾つかの注意が必要です。

①結果ではなく、意志、意欲に注目
 何かを始めようとする子供が、最初から上手くできることは、絶対にありません。つまり、「よくできたら褒めよう」「成し遂げられたら褒めよう」と考えていると、褒める機械はありません。といって、不完全な結果を褒めるのは、ウソをついていることになります。

 だから、必要なのは「意欲」をほめること。お手伝いをしようとしたら、その気持ちをほめる。何かを頑張っていたら、頑張りをほめる。結果ではなく、子供の姿勢をほめるのです。

②ハードルを細かく、段階的に上げてゆくこと
 たとえば、子供が皿洗いを手伝おうとした場合、最初は皿を運んできただけで褒めたり喜んだりしてみせます。

 最初は、持ってきだだけで褒める。それができるようになったら、次は洗おうとしただけで褒める…。
 私たちが「後片付け」と、ひとかたまりに考えている行動も、実際はいくつもの段階の組み合わせでできています。その一つ一つを分けて考えることで褒める要素が増え、新しい行動を教えらるようになります。

③ダメ出しは「イエス・アンド」で!
 子供が何かをしたら、つい「ここがまだ足りないね」という指摘をしたくなるもの。しかし、強化の原則から考えれば、マズイことになります。せっかく頑張ったのに、直後にダメ出しをされると、そこにイヤな記憶が結びつき、行動から遠ざけてしまいます。
 先ほどの皿洗いの例で言えば、皿を洗った直後に「洗い足りない」「もっと音を立てずに洗って」とダメ出しをされると、皿洗いとダメ出しが結びつきます。
「やっても叱られるだけなら、やらないよ」
 ということで、進んで皿洗いをする気持ちは消えてしまいます。

 ここで使われるのが「イエス・アンド法」
 まず最初に、やってくれたことをほめる。そのあと、ごく短く「あと、ここもお願いできる?」と要求をつけ加えるのです。あくまでメインは褒めること。やったことを否定せずに、つけくわえることで、意欲をくじくのを防ぎます。

 このイエス・アンド法は、子育てだけでなく、社会人としても使えるスキル。子供を相手にするうちに、役立つ技能が身につくかもです。