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2012年11月24日土曜日

文字の敏感期についての個人的体験


 敏感期には、いろんな種類があって、もちろん文字の敏感期もあるわけです。参考までに、わが家の例を書いておきます。

 以前に書いた「子供の潜在能力を101%引き出すモンテッソーリ教育」(講談社+α新書)では話し言葉の敏感期は0~3歳、書き言葉の敏感期は3歳以降としています。
 娘の場合、本当に書かれているとおりの3歳から始まりました。

・読むこと
 一歳になる前から絵本の読み聞かせはやっていましたが、とくに文字に興味を持つことはありませんでした。
 ところが、三歳の誕生日を過ぎたころ、突然文字への好奇心が爆発しました。絵本を読んでいても、話の筋とは関係なく
「あ、の字は?」
「お、はどれ?」
 と一音ごとに文字を尋ねます。散歩していても、看板などの文字を見るたびに質問が始まります。
 面倒を省くためにパソコンから50音字表を出したのですが、逆にそれを利用されて、「これは? じゃあこれは?」と連続で尋ねられる始末。いかにも敏感期らしい集中ぶりで、聞かれることに返事をしているだけで、次々と文字を覚えてゆきました。
 結局、一ヶ月かからずに50音を覚え、さらに数ヶ月で濁音や「きゃ、きゅ、きょ」などの音、「は」と「わ」の読み方を覚えて、一人で本を読むようになりました。

・書くこと
 読めるようになったら、次は書くことに興味を持つかと思ったのですが、そういうわけではないようです。文字を書くことに興味を持ったのは、ぐっと遅れて四歳半。
 このときは勝手に新聞広告などの文字を書き写し始めたので、また50音表を出して渡してやりました。

 今にして思えば、これが大失敗。書き順のない50音表を渡したので、書き順がめちゃくちゃでした。皆様、子供が字を書くことに興味を持ったときには、ぜひ書き順付きの50音表をどうぞ。

参考までに、いくつかのホームページを紹介しておきます。
リビング用「ひらがな書き順表」

ひらがな練習プリント


 ちなみに、本物のモンテッソーリ教育では、手を使うことを重視する意味から、字の形の溝を彫った板をなぞるなど、読むより先に書くことをするそうです。


・最近の娘
 なぜか、遭難ごっこが大好きです。船で流されたり、島にたどり着いたり、小屋を造って食料を持ち込んだり。
 あんまりしばしば遭難ごっこに誘いにくるので、
「遭難ごっこしよー!」
 と言われるときに
「え、そうなん?」
 とオヤジダジャレで切り返すことにしました。娘は笑いますが、目は冷たいです。


2012年11月13日火曜日

口の中で「チャリーン」とつぶやいてみる


 前回の「子供は親の時間を食って成長する」という言葉に関連して。

 子供が生まれたての頃、母親はやっぱりたいへんです。数時間おきに目を覚まして泣きますから、授乳したり、おむつ替えをしたりしなくてはなりません。母乳だったので、私が代わってやることもできず。たまにおむつ替えを手伝うくらいです。

 最近、妻がそのときを思い出して言います。
「あのとき、貯金って言ってくれたのが助かったー」
 
 これだけだと何のことかわかりませんね。はっきり言って、言った私も忘れてました。

 夜中に子供が目を覚まして泣いたとき、私がこう言ったそうです。
「今、この子の中に貯金してるんだよ。泣いたときに無視されなかったってことで、親に対する信頼が、チャリーンって」

 妻いわく、そのとき頭の中に貯金箱が浮かんだらしいです。
 今、確かに子供に時間や手間をとられている。しかし、その時間や手間は、消えてなくなったりしない。すべてこの子の中に残って人格や知性の元になっていくのだ、とイメージできたら少し楽になったのだそうです。

 貯金箱というのは、ちょっとセコいイメージかもしれません。でも子供を育てる親にも、何らかの励みは必要です。やった結果がしっかり残っていると思うだけで、力が出ます。

 子供が泣きながら飛びついてくるとき、服をどろんこに汚してくるとき、よくわからない言葉で一所懸命に話しかけてくるとき。
 相手をするのがちょっと疲れたなと思ったら、口の中で「チャリーン」とつぶやいてみてください。いま、信頼が、安心が、温かさが、子供の中に貯まっています。
 その貯金には、かならず大きな利子が付いて返ってきます。
 


・最近の娘
先日、小学校入学前の健康診断を受けた娘。
視力検査で
「はい、それじゃあCのあいている方を答えてねー。これは?(↑)」
「うえ!」
「これは?(↓)」
「した!」
「これは?(→)」
 娘は自信たっぷり、大きな声で
「よこ!」

 どっちやねん。

2012年11月4日日曜日

言うことを聞かない子供には、逆に叱る時間を減らしてみるといいらしい

 親のいうことを聞かない子供には、二つのパターンがあります。
 一つは「やりたい!」という衝動が抑えられないとき。といっても、これは健全な意志の現れですから、だんだんとルールが飲み込めてくると収まってきます。
 問題はもう一つの方。親にかまってもらうために、わざと言うことを聞かないときです。

 子供は、親にかまってもらうのが大好き。見ていてほしいし、話を聞いてほしい。できればくっついていたい。人間は社会的動物ですから、認められたり注目されたりすることが必要なのです。 

 親にかまって欲しいとき、もっとも確実にかまってもらえる方法の一つが「叱られること」なのです。どんなに親が忙しくても、大騒ぎしたり、ものを壊したりすれば、子供の方をみてくれます。
 親は叱っているつもりでも「もっとかまって欲しい」と感じている子どもにとっては、ご褒美をもらっているようなもの。悪いことをするほどかまってもらえるわけですから、いくら叱っても言うことを聞かない悪循環に陥ります。

 そこで、子育て理論の中には「悪い行動に注目しない」という方法を提唱するものがあります。
 子供が悪いことをしたときには、なるべく短時間で注意を与え、かまいすぎない。
 逆に、悪いことをしていないときにしっかり向き合い、なるべく褒める。

 子供にとっては悪いことをしても何も得することがありません。逆に、良い行動をしているときに親の関わりが得られるので、行動を改めやすいのです。
 叱られることによる自尊心の低下が起きにくく、いいところを認めてもらうことによって自信がつくのもいいところ。
 「子供が言うことを聞かないなあ」と思うときには、考えてみていい方法です。

 もちろん、叱る以外の関わり方が多いのが前提。なんでもないときに、たっぷりかまってやると、子供の心も安定して一石二鳥です。

・付記1
 無視と褒めることのバランスを使ったしつけの本があります。悪いところを指摘して叱るのではなく、良い点に注目、悪い点を意図的に無視することで子供を指導します。
 マンガ形式なのですぐ読めて、お勧めです。