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2015年6月28日日曜日

子供を伸ばす、暗示の力

 先日、テレビを見ていたら、メンタリストのdaigo氏と、元ライブドアの堀江貴文氏がババ抜きをするという企画がありました。

■メンタリスト、圧勝

 持っているカードはそれぞれ5枚ずつ。それにジョーカーを加えて、ババ抜きをする。もちろん、最後にジョーカーを持っていた方が負けです。さてその勝負ですが…

 …勝負になりませんでした。

 堀江氏も交渉慣れしているということで連れて来られたのですが、まるで歯が立ちません。
 daigo氏の持っているジョーカーを、一回目で引かされる。
 堀江氏がジョーカーを持つと、入れた瞬間から位置を特定され、それならばとシャッフルしても、すぐに言い当てられてしまう。
 まるで勝負になりませんでした。

■小さな暗示の大きな力

 見ているうちに気になったのは、番組中でdaigo氏が使っている暗示が、驚くほどささやかだったこと。

 例えば、堀江氏がカードを引くとき、daigo氏はカードを等間隔に並べず、ジョーカーの両側だけ隙間を数ミリ広くしました。言われなければ気づかない程度の差ですが、それだけでジョーカーが目に止まりやすくなるのだそうです。実際、堀江氏は簡単にそれを引いてしまいました。

 続けてdaigo氏がカードを引く時には、ジョーカーが列の真ん中にあることをあっさりと見抜き、ジョーカー以外のカードを引きました。そして言うには
「両端、両端と繰り返し言うことで、両端に恐怖心を持つように誘導しました」

 ほんの数分の暗示の結果がこれです。そう考えると、長い時間一緒にいる家族からの影響は無視できません。

■親の言葉は、全て暗示になる

 子供に「バカ」と言い続けると本当に成績が落ちる、「レイベリング理論」はよく知られていますね。

 「自分はバカだ」という自己イメージを持つと、努力で能力が伸ばせると思えなくなり、努力が続かないと考えられています。
 問題点を指摘する際には「評価」ではなく「具体的な方法の提示」が必要。例えば「計算問題の練習が必要だね」のような。

 あと、気をつけたほうがいいのは、「は」の使い方。
 例えば「算数良く出来たね」は、言外に「算数以外はダメ」という意味を含みます。ここは「算数よく出来たね」と言いたいところ。
「昔可愛かった」というのは、「今は可愛くない」という意味を含みますから、これも注意。

 逆に「この問題失敗したけど、頑張ったね」と、悪い方を限定し、他の部分を認める使い方もできます。

 ちなみに、うちでは「は」の代わりに「から」を使います。
「昔から可愛かった!」

 親ばか?
 いいんです。娘を持つ父親なんて、みんなこんなもんです。


イラストは、子供と動物のイラスト屋さん から

2015年6月3日水曜日

保育園を作るほど、少子化が進むかもしれない

 政府は、待機児童を減らすために、保育園をさらに拡充するとのこと。少子化対策の一環だそうです。
 働きたい女性が社会に出て、心置きなく働ける。その意味では歓迎すべきことです。しかし、それは少子化対策につながるのでしょうか?

 もちろん、子供の預け先ができることで、働ける女性もいるわけです。経済的な余裕があれば、子供をもう一人産もうかと考える人が増えてもいいのですが…。

■家事の価値は?

 そう考えたのは日経ビジネスオンラインの記事「リストラ・ひも・ウツ 育児に協力するオトコの世間体」という記事を読んだ時です。

 イクメンという言葉が一般的になった現在でも、男が仕事をやめて育児に専念すると「リストラにあった?」とか「ヒモ?」などと言われてしまう現状。
 「無能な人は家庭に入れ」という人もいるそうです。

 家事はお金にならないので、評価されない。金銭を重視しすぎて、育児を含めた家事をする人が、軽んじられているのではないか、という内容でした。

 経済的価値を高く見て、家事を低く見る価値観。
 この価値観の極まるところは「最初から子供を持たない方が得だよね」という考えではないでしょうか?

■子育ては楽しいんだ、価値があるんだ、ともっと語ろう

 評価されない仕事に就きたがる人はいません。

 保育園で子供を預けて働く人が増え、それが当然になった時。
 子育てする人が「働いてないの? なにやってるの」とか、「専業主婦で子育て? 楽だねえ」などと、言われるようになってしまったら、一所懸命子育てをする人は減ってしまうでしょう。

 子供を育てることを含めた家事の意味をきちんと評価しない社会は、結局は子育てする人を失ってしまうのではないでしょうか?

 働く人のために、保育園は大事。その一方で、自分で子育てをしたい人が、存分に子育てできる価値観も作っていかなくてはなりません(もちろん、経済も大事。フランスの出生率を上げたのは、結局のところ育児補助金ですから)。

 本当のところ、子育てをきちんとやろうと思えば、たくさんの勉強が必要です。迷ったり考えたりもするし、試したり失敗したりします。子供に関わる自分自身のケアも必要で、決して簡単ではありません。そういったことの価値を認めることも、少子化対策には必要なはず。
 ワークシェアリングなどで、男女ともきちんと育児に関われる、それでいて、育児が出世の妨げにならないような社会になればいいのですが。

 自宅自営業で、子育てに関わってきた父親としては、子育ての楽しさと、やりがいをもっと語ってみたいのです。

イラストは、子供と動物のイラスト屋さん から