リンクユニット上




2016年1月18日月曜日

褒めて伸ばすには、コツがある②

 前回書いた、褒めて育てる話。
 子供に何か望ましい行動をさせたければ、望ましい行動と「楽しい・嬉しい」という感情を結びつける必要があるという話でした。
 例えば、子供が手伝いをすると、親が笑顔でほめてくれる、という場合。子供にとって、お手伝いをすること自体に良いイメージが生まれ、またお手伝いをしようという意欲に繋がる「強化」が起こるわけですね。

 さて、これを実際に使うにあたっては、幾つかの注意が必要です。

①結果ではなく、意志、意欲に注目
 何かを始めようとする子供が、最初から上手くできることは、絶対にありません。つまり、「よくできたら褒めよう」「成し遂げられたら褒めよう」と考えていると、褒める機械はありません。といって、不完全な結果を褒めるのは、ウソをついていることになります。

 だから、必要なのは「意欲」をほめること。お手伝いをしようとしたら、その気持ちをほめる。何かを頑張っていたら、頑張りをほめる。結果ではなく、子供の姿勢をほめるのです。

②ハードルを細かく、段階的に上げてゆくこと
 たとえば、子供が皿洗いを手伝おうとした場合、最初は皿を運んできただけで褒めたり喜んだりしてみせます。

 最初は、持ってきだだけで褒める。それができるようになったら、次は洗おうとしただけで褒める…。
 私たちが「後片付け」と、ひとかたまりに考えている行動も、実際はいくつもの段階の組み合わせでできています。その一つ一つを分けて考えることで褒める要素が増え、新しい行動を教えらるようになります。

③ダメ出しは「イエス・アンド」で!
 子供が何かをしたら、つい「ここがまだ足りないね」という指摘をしたくなるもの。しかし、強化の原則から考えれば、マズイことになります。せっかく頑張ったのに、直後にダメ出しをされると、そこにイヤな記憶が結びつき、行動から遠ざけてしまいます。
 先ほどの皿洗いの例で言えば、皿を洗った直後に「洗い足りない」「もっと音を立てずに洗って」とダメ出しをされると、皿洗いとダメ出しが結びつきます。
「やっても叱られるだけなら、やらないよ」
 ということで、進んで皿洗いをする気持ちは消えてしまいます。

 ここで使われるのが「イエス・アンド法」
 まず最初に、やってくれたことをほめる。そのあと、ごく短く「あと、ここもお願いできる?」と要求をつけ加えるのです。あくまでメインは褒めること。やったことを否定せずに、つけくわえることで、意欲をくじくのを防ぎます。

 このイエス・アンド法は、子育てだけでなく、社会人としても使えるスキル。子供を相手にするうちに、役立つ技能が身につくかもです。

0 件のコメント:

コメントを投稿