子供の学校は夏休み以外でも毎日、日記の宿題があって、それを書かせるのが一苦労です。
当たり前ですが、子供はそんなもの書きたくありませんから、なんとかギリギリまで逃げたいわけです。しかたなく「日記を終わらせてからテレビ」とか、「日記を終わらせてからマンガ」というように、先行条件にして、書かせていました。
が、ある日、考えました。
■自分で考えて行動できる人になってほしい
親が急かして書かせても、それは人の指示に従う訓練にしかなりません。自分で自分の行動を決めることはないので、いわば使われる訓練です。
将来的には、自分でやるべきことを判断して、行動できるようになって欲しい。長い目で見て、親が書かせることはためにならないと判断しました。
以前に紹介した本「子供の心のコーチング」で、「遅刻するのは子供の問題であって、親の問題ではない。問題を子供に返して、失敗から学ばせる」と書いてあったのを思い出し、妻と相談。
「よし、子供に任せよう!」
と決めました。自分でやってみて、間に合わなかった体験を繰り返すことで、自分の行動を律することを覚えて欲しかったのです。
子供に「これからは日記のことは一切言わない」と伝えました。
それで間に合わなかったら、先生に「すみません、やっていませんでした」と謝りなさい、というところまで約束させました。
■夏休みの途中、やっぱり遅れ始める
やってみると、急かさなくていいので、親は楽。子供も、言われることがないので上機嫌。家庭内の空気はいい感じです。
最初の数日は、初めての緊張感もあって、頑張って日記を書いていました。
それから、書き忘れの日が連続3日間。3日目になって、慌てて始めましたが、慌てたお陰であっという間に終了。
この、1日で3日分の日記を書いたのが、良くない自信になったようです。
「その気になれば3日分くらい、すぐできるんだ」
と思ったようで、ダラダラと遅れ始めました。
妻と、いよいよ溜まり始めたなあ、と顔を見合わせました。
夏休みの終わりになって、溜まった日記に呆然とするはずです。書いても書いても終わらない体験をして、場合によっては先生に頭を下げることでしょう。そうした失敗を繰り返して、自分から行動を律することを覚えるはず。
親は我慢!
■夏の終わり。予想外の結末
本人が再び慌て始めたのは、夏休みも残り一週間になってから。
日付を見て、溜まっている日記の数を数えたのでしょう。急に涙目になって、
「もう、日記が終わるまで、机の前から離れない」
などと、突飛な宣言をしたりしました。
もちろん、そんな決心は続かないわけですが…(笑)
それでも、頑張ってまとめ書き。少しずつ、少しずつ追いついて、とうとう8月31日の夜7時。
「終わったよ!」
と得意満面。
おかしい。こんなはずじゃなかったのに。
妻が思わず口走りました。
「あー、間にあわせちゃった!」
思わず私も
「大丈夫、きっとまたチャンスがある!」
いつの間にか、間に合わないことを期待していた両親。見事な本末転倒ぶりでした。
これが自分で自分を律する訓練になったのかはわかりません。ただ、問題を子供に返すことで、親がイライラしなくて済んだのは、大きな収穫でした。
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