友達夫婦のところに遊びに行ったときのことです。
「疲れたなー」
と、その家のご主人が寝っころがったとたん、当時2歳だった娘さんが、怒りだしました。「だめー!」と叫びつつ、お父さんの頭を押しのけようとします。お父さんもお母さんも、なんで子供が怒っているのかわかりません。
娘さんはさらに大声を上げて「まくら違うー!」
よく見ると、ピンクの線が入った枕カバー。これでピンときました。
「あれ、お母さんの枕ですか?」
「そうですけど」
「じゃ、お父さんがお母さんの枕で寝てるから、怒ってるのかもしれませんよ」
「は?」
半信半疑のお母さんが枕を取り替えると、娘さんはけろっと機嫌を直しました。
これはモンテッソーリ教育で言う「秩序感の敏感期」のなせる技。
■秩序感の敏感期とは?
2歳、3歳頃、子供が急に泣いたり怒ったりして言うことを効かなくなるのを「イヤイヤ期」と読んだりしますね。実はこのころ、子供は「秩序感の敏感期」にあります。「誰のもの」という区別や、物事の順番、ものを置く位置などに、強くこだわる時期だと思ってください。
子供は、周りの物や慣れた手順を基準にして生活しています。
そのため、ものの場所が変わったり、手順が変わったりすると、どうしていいかわからなくなって大混乱するわけです。
イヤイヤ期というと、わざと反抗していると考えがちですが、実は変化による混乱でパニックになっているだけだったりします。原因がわかれば相手をするのも簡単。だから「秩序感の敏感期」に気をつけるだけで、大半のイヤイヤは消えてしまいます。
■イヤイヤの時は「なにか変わっていないか?」
いつもと違う手順でやっていることはないか、いつもと違う場所にものをおいていないか、個人のものを間違って使っていないかなどチェックして、もとに戻してやるだけで、子供はおとなしくなります。いつもの食器を割ってしまったなど、もとに戻せないときもありますが、何を嫌がっているのがわかるだけでも
「そうか、そうか」
と対応する余裕が出てきます。親も楽だし、子どもにも優しい。
というわけで、次回はそのモンテッソーリ教育について。
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