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2014年6月21日土曜日

怒らない指導「鍵穴方式」

 子供が生まれた時、これだけはやるまいと決めたことが3つありました。
「怒鳴らない、叩かない、侮辱しない」
 叩くことは論外としても、怒鳴ることや侮辱することが、良い方法だとは思えなかったからです。

 親としては大声で怒鳴ったり、罵ったりすると、子供をきちんと指導しているような充実感があります。しかし、子供の行動を望ましい方向に修正できているでしょうか?

  最初のうちこそ、親の剣幕に驚いて、言うことを聞くでしょう。しかし、すぐに慣れてしまいます。
「親の小言と敵の矢は、頭を下げてやり過ごせ」
 という言葉があるように、親が激高しているときほど子供は冷静になり、ただ聞き流しているものです。 

 怒鳴らず、怒らず指導する方法はいろいろあると思いますが、一つの例として、ウチで使っている方法を紹介します。

 例えば我が家では、子供が
「水」
 と言っても、水を出しません。
「水をください、って言って」
 と訂正が入ります。それでも言わない時は、
「水をください、って言わないと汲みません。言うのが嫌なら、自分で汲んで」
 と宣言します。
 子供を叱ることはありません。しかし宣言した通り、言うまでは汲みません。

 子供が親の話を聞かないで、自分の話だけしようとするときも、
「こちらの話を最後まで聞かないと、返事をしません」
 と、宣言します。怒らず、ただ宣言した通りに振る舞うだけ。

 これは交換条件ではありません。
 物事をストップさせて、必要な行動をとった時にだけ解除する、停止・解除条件です。決まった行動(鍵)でしか解除できないところから、我が家では「鍵穴方式」と言っています。

 鍵穴方式の長所は、子供に選択の余地があること。親の話に納得できなければ、従わなくてもいいのです。そのかわり、自分で水を汲んだり、話を聞いてもらうことを諦めなくてはなりませんが。
 もっとも、それほど難しい解除条件を出すことはないので、たいていはすぐに納得します。それが何度か繰り返されると、最初から正しい言葉を使うようになり、やがて習慣になって言う必要もなくなります。  「やってのける 意志力を使わずに自分を動かす」(ハイディ・グラント・ハルバーソン著 大和書房)という本にあったのですが、人間のやる気は、選択権の有無に関係しているそうです。何かを自分で選ぶと、やる気が増えるのです。  子供に指示をする場合にも、選択権を持たせることで、反感が減るように感じますね。

 この方法は、礼儀や話し方など、ルール的なことを教えるのに便利です。
 その一方、 ・時間の余裕がない時 ・最初から選択の余地がない場合(暴力はダメ、など) ・うっかりミス(意図的に修正できないので)  には使えません。

 使える条件は限られますが、一度試してみてはいかがでしょうか?

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