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2014年5月23日金曜日

「親業」④ 「私メッセージ」だと、気持よく伝えられる

 親業、2つ目の柱が「私メッセージ」。私を主語にして、必要なことを伝える方法です。

■あなたメッセージとは?
 私達が子供を叱ったり、何かを要求するときに、つい子供を主語に語ることが多いですね。例えば、


「あんたはまた、散らかして!」
「(あなたは)いつも遅いんだから!」
「うるさい! (あなたは)もっと静かにできないの!」


 とか。こういう「あなた」を主語にした意見の表明を、親業では「あなたメッセージ」といいます。


 親が子供を叱る場合、子供の行動を変えて欲しいわけですから、子供が主語でも不思議ではありません。
 ただ、言われる立場で考えてみましょう。「あなた」を主語にした指摘は、子供の人格を否定し、非難する意味を含みがちです。
 例えば先ほどのケースに言外の意味をつけると、


「あんたはまた、散らかして!(あなたは部屋を散らかす悪い子だ!)」
「いつも帰ってくるのが遅いんだから!(あなたは時間にルーズだ)」
「うるさい! もっと静かにできないの!(あなたは落ち着きが無い)」


 ということになるでしょうか。
 親の言うことが正しいとしても、面と向かって否定されながら、その指示に素直に従う気にはなかなかならないもの。


 前回の「能動的な聞き方」でもそうでしたが、親業の目的は信頼関係を作ることにあります。親は子供の問題点を指摘しつつ、敵に回らないようにしなくてはいけません。

■わたしメッセージとは?
 そこで親業が使うのが「わたしメッセージ」です。
「わたしメッセージ」とは、「私」主語にした語りかけです。先ほどの三つの会話を、わたしメッセージに言い換えると


「部屋が散らかっていると、転びそうで(私は)怖いんだけど」
「遅くなると、(私は)心配しながら待つことになるのが嫌なの」
「大きい声で話されると、お父さんとお母さんの会話ができなくて困るの」


 となります。
この言い方でも、子供の行動を問題にしているところは同じです。しかし、子供を否定する言葉が入っていないので、反感を持ちにくくなります。
 また行動が私(親)にとってどういう影響があるのかを伝えることで、子供に行動の意味を考えさせることもできますので、しつけにもなります。
 もちろん、子供が理由などを話そうとしたら「能動的な聞き方」に切り替えることを忘れずに。

■使ってみた感想ですが
 正式な方法では、上述のように「私はどう感じるか」「私がどう困るか」を伝えるだけで、具体的な指示はしません。

 ただ、私は短気なのでつい、
「転びそうで怖いから片付けて」
「大きい声で話されると、会話できないから小さい声で話して」
と、指示を入れてしまうことが多いです。


 それでも、「あなたメッセージ」で話をしてしまった時と比べれば、話の通りは格段に良いと感じます。

 親は子供の敵ではなく、味方。信用されることで、コミュニケーションが楽になるのです。

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