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2014年5月4日日曜日

育児書は役に立つ? どの育児書が正しい? 

 育児書を大量に読んでいると言うと、
「完璧な子育てを目指してる?」
 と誤解されることがありますが…。私が育児書を読んでいるのは、楽をするためです。

 学生時代に、少しだけ山登りをしました。メインは北アルプス。南アルプスも1回だけ登りましたね。 
 登山に欠かせないのが、地図とガイドブックです。とくにお世話になったのが、昭文社の「山と高原地図」。登山コースと目印、大体の所要時間が書いてあります。とくに便利だったのが、地図のあちこちに書き込んである「飲み水」「ガレ場」「雪渓」などの注意情報でした。

 道そのものはわかっていても、
「どんなトラブルが予想されるのか」
「どこで水が補給できるのか」
「何を持っていれば便利か」
 といった情報が有ると無いとでは、歩きやすさが大違いです。

 育児書も同じです。
 どんなトラブルが予想されるのか。どんな心構えだと、トラブルを乗り越えやすいのか。考えておいたほうがいいこと…。そうした情報を与えてくれているのです。
 書いてあること全てを実行する必要はありません。地図で言えばコースタイム通りに歩く必要はないし、休憩所と書いてある場所を飛ばしても構いません。
 自分にとって必要な部分だけ使えば十分、親も子供も楽ができますから。

 「どの育児書が正しいか」という問題も、そんなに気にしないでいいようです。
 何十冊も読んでみた感想ですが、最近の育児書は心理学や統計学の裏付けを持っていることが多いので、たいていの育児書で原則は共通しています(数冊のトンデモ本はありましたが…)。キーワードは共感、受容、自主性、励まし、といったところ。こうした原則を書いてある本なら、それほど差はありません。

 とはいえ、私個人のオススメは「モンテッソーリ教育」と「親業」。モンテッソーリは子供についての概念を変えてくれますし、親業は、子供とのコミュニケーションについての、もっともよくまとまった技術です。

 「親業」については、まだ書いていなかったので、次回からしばらく「親業」の話です。

付記
 育児書といえば、少し前まで「赤ちゃんが泣いた時は、抱いたり授乳した方がいい」説と、「泣いたときに抱き上げるとワガママになる」説の、どちらが正しいかという論争がありました。
 この論争については少し前、アメリカで二百数十人を0歳から成人後まで20年以上追跡する調査が行われ、はっきりした結論が出ました。

 結果としては、「泣いた時に抱き上げる」が正解。
 ケアを受けることで、親としっかりした愛着関係を作ることができ、その後も社会性、積極性、落ち着きなど、ほぼすべての項目で高い数値を示したとのこと。なんと、高校を卒業する率にまで、はっきりした差がついたそうです(親のケアが少なかった子供ほど、中退する率が高い)。
  (「成功する子・失敗する子」ポール・タフ 英治出版)


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