リンクユニット上




2014年5月1日木曜日

「天才! 成功する人々の法則」⑥ 文化は無意識のうちに、強力に働く

 この本の第二部は、文化が人の能力や才能に影響を与えることについて語っています。

 たとえば、いろんな学力テストで、アジアの学生が高い得点を取る傾向があります。こうした傾向の理由として、グラッドウェルは稲作文化を取り上げています。

 稲作文化は、極めて労働集約性の高い仕事です。狩猟のような、あるいは牧畜のような産業は、努力よりも気候や土地、もっと言えば運の良さに左右されるところがあります。
 ところが農業、中でも稲作は手をかければかけるほど、収穫量が上がる傾向があります。そうした文化では、長く、一生懸命に働くことが文化的に美徳とされるのです。
 そうした文化を背景に持っているアジアの学生は努力をいとわないので、テストで高得点を取ることが多いのではないか、というのが著者の主張でした。


 ここから感想。

 文化というのは、その文化の中に住んでいる限り当たり前のことで、そんな文化を持っていることを自覚しません。
 わかりやすい例としては、テレビ番組「秘密のケンミンショー」のお約束がありますね。
「実は、○○をするのは、✖✖県だけなんですよ」
 というやつ。

 私事ですが、ウチは関西人と東北人の夫婦なので、このお約束を実際に何度も体験してきました。
 例えば山形県民の妻は、蕎麦屋にラーメンがあるのをあたりまえだと思っていましたし、リンゴを買うときに「今はもう富士の旬だから、王林は買っちゃだめ」などと、時期に合わせて美味しい品種のリンゴを選ぶのが当然だと思っています。リンゴはなんでもリンゴだと思っていた関西人には、驚きでした。
 あと「サクランボを一粒づつ食べるなんてケチなことをしない! 5,6粒放り込んで、種だけ吹く!」と、スイカのような食べ方を強要されたり…。

 文化は無意識で働く分だけ、強力です。

 先日読んだ「スタンフォード大学の自分を変える教室」に、強力な例が乗っていました。
肥満は伝染するというのです。
 調査によれば、肥満している人の友達は、肥満している傾向が見られたとのこと。近くにいる人が肥満していると、肥満の状態を当たり前だと感じるように、基準がズレてしまうのだと分析されています。「赤信号みんなで渡れば怖くない」みたいなもので、それが普通だと思ってしまうのです。
 何かやりたいことがあるときには、そのことをやっている人の中に入るのが有効な方法だと書いてありました。

 子供に読書の習慣をつける、もっともよい方法は親が読書することだそうです。親が不健康な食生活をしていれば、子供も不健康になりがちですし、スポーツ好きの親の子供は、かなりの確立でスポーツをするようになります。
 マイナス面でも、親が暴力的なら子供も暴力的になりますし、親の口癖がそのまま子供の口癖になっているのもよくみること。

 考えてみれば、昔から
 「子供は、親の言うように育たない。親のするように育つ」
 などと言われてきました。

 子供に期待するからには、親も頑張れということでしょうか。あるいは、自分ができないことは、子供に押し付けるな、という意味かもしれません(笑)。

 
 長々やってきましたが「天才! 成功する人々の法則」の話は今回で終わり。
 お付き合いくださって、ありがとうございました。



0 件のコメント:

コメントを投稿